若年層に対する
プログラミング教育の普及推進報告2017

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世界に発信!地域密着プログラミング学習による新潟市PRプロジェクト

平成28年9月~平成29年3月 STAR Programming SCHOOL(スタープログラミングスクール)

H28年度当初予算にて実証実施

1.モデルの概要

1.1 モデル名称

世界に発信!地域密着プログラミング学習による新潟市PRプロジェクト

1.2 モデルの全体概要

NSGグループ 株式会社チアリーの運営する、すべての小学生・中学生・高校生のためのプログラミングスクール「STAR Programming SCHOOL(スタープログラミングスクール、以下スタープログラミングスクール)」の教材・カリキュラム、教室運営ノウハウ、講師育成ノウハウ等を用いて、新潟県にて圧倒的な教育基盤を持つNSGグループ、各種教育機関との連携により、新潟県内の小学生・中学生に対するプログラミング教育を実施する。

  • 関東12教室にてプログラミング教室を運営し、広くプログラミング教育を普及させていくための教材・カリキュラム、講師育成体制を活用したプログラミング教育実証事業運営体制。
  • NSGグループをベースとした密接な連携のもとに成り立つ、メンター育成及び実証校での確かなプログラミング講習(メンター派遣校2校、プログラミング講座実施校3校)。
  • 事業終了後も当該地域において継続した活動が期待できるとともに、他地域への展開を前提とした運営主体及び協力教育機関。

2.モデルの内容

2.1 メンターの募集・研修について

2.1 メンターの募集・研修について

新潟市内にある、大学・専門学校の情報系学部の学生をメンターとして募集した。
いずれもNSGグループ内の教育機関であり、綿密に連携を取りながら実施することが可能であった。

2.1.1 メンター募集期間

2016年7月25日(月)~2016年8月5日(金)

2.1.2 メンター募集方法

メンター派遣校である、新潟医療福祉大学及び新潟コンピュータ専門学校の担当教員より、参考資料の募集要項(スタープログラミングスクール作成)を配布し、担当教員による推薦及び自薦によってメンターを募集した。

2.1.3 メンター募集対象(メンター種別)

新潟医療福祉大学(育成予定人数:20名/全学生数:3,972名)

4学部12学科を擁する医療系の4年制大学。医療情報管理学科には、医療×ITを学び、診療情報管理士、基本情報技術者、ITパスポート等の資格取得を目指す学生が400名在籍。カリキュラム内には「コンピュータシステム」、「アルゴリズム論」や「プログラミング概論」等が含まれており、コミュニケーション能力とITスキルに長けた大学生をメンターとして募集することが可能。

<詳細>
医療情報管理学科内で主に情報コースを履修している学生を中心にメンターを募集した。
該当する人数は以下である。

  • 医療経営管理学部 医療情報管理学科(情報系):約120名

【メンター採用結果】

合計:20名

新潟医療福祉大学 性別 1年 2年 3年 4年 合計
医療情報管理学科 男子 0 6 7 0 13
女子 0 0 6 1 7
合計 0 6 13 1 20

新潟コンピュータ専門学校(育成予定人数:20名/全学生数:427名)

「システムクリエーター科」「ゲームクリエーター科」「CG・Webクリエーター科」「IT高度専門学科」など7学科21コースを擁する専門学校。「日本ゲーム大賞 入賞実績全国No.1(14回中9回入賞)」「U-20プログラミング・コンテスト8年連続入賞」など専門スキルを身につけた専門学生が多数在籍している。

<詳細>
スキル、コミュニケーション力及びスケジュール調整の観点から、卒業年次生を中心にメンターを募集した。
該当する人数は以下である。

  • システムクリエーター科:40名
  • ゲームクリエーター科プログラムコース:100名
  • ゲームクリエーター科キャラクターコース:20名
  • CG・Webクリエーター科:10名

合計:150名

【メンター採用結果】

合計:19名

新潟コンピュータ専門学校 性別 1年 2年 3年 4年 合計
システムクリエーター科 男子 0 2 5 0 7
女子 0 0 0 0 0
ゲームクリエイター科 男子 1 1 6 0 8
女子 1 0 0 0 2
CG・Webクリエーター科 男子 1 0 0 0 1
女子 0 0 0 0 0
IT高度専門学科 男子 0 0 0 1 1
女子 0 0 0 0 0
合計 3 3 12 1 19

以上39名の学生をメンターとして採用した。

2.1.4 メンター種別の選択理由
  • ITスキルのベースがあり、プログラミングの基礎やホスピタリティを持ち、子ども達への教育に意欲のある母集団が形成されているため。
  • 大学生・専門学校生は、ほぼ全地域におり、他地域に普及するにあたって同様の手法でメンターを募集することが広範囲に渡って可能なため。
  • 小学生・中学生と年代の近いメンターとして、小学生・中学生が将来像を描いたり、専門学校や大学での学び・生活に触れたりするなどキャリア教育の観点からもプラスの効果を発揮するため。
  • 複数の小学校・中学校にてプログラミング講座を実施するために、当該時間のスケジュール調整が可能なため。
2.1.5 メンター募集に関する工夫
  • メンター募集にあたってはプログラミングの経験は不問とした。
  • ITスキルに長けた新潟コンピュータ専門学校生とホスピタリティに長けた新潟医療福祉大学生の、ハイブリッド型でのメンター対応体制とした。
  • 学生がメンターであり、毎回の講座に必ずしも参加できない場合もあるためメンターはチーム制とした。
  • 事業運営団体とメンター派遣校、メンター派遣校同士の連携を密に行った。
  • メンター派遣校の学校としてのプロジェクトや学科としてのプロジェクトとして位置づけ、授業の調整やメンターの講座参加時の公欠扱いなど、メンターのスケジュール調整を円滑に行った。

<参考>
スタープログラミングスクールの採用基準である、

  • 正解を教えるのではなく、子ども達の考えや意志、創造力を尊重し、同じ目線で共に問題解決に臨むスタンスをお持ちの方
  • 子ども達はもちろん、教員、保護者の皆様など子ども達を取り巻く方々との良好な関係を築くコミュニケーション力を持ち、総合的に子ども達の成長に向けて全力で取り組める方
  • 事業運営チームの一員として、より良い講座運営に前向きに取り組める方

に基づき、本事業のメンターとして採用した。

2.1.6 メンター研修期間

<2016年8月~2016年9月>
新潟コンピュータ専門学校(育成予定人数:20名/全学生数:427名)

8月29日(月)13:10~16:30
9月13日(火)13:10~16:30

新潟コンピュータ専門学校

9月7日(水)13:30~17:00
9月12日(月)13:30~17:00
2.1.7 メンター研修方法

研修の進め方について

集合研修①②
研修 日にち 時間
8月29日(月)
9月7日(水)
13:10~16:30
13:30~17:00
9月12日(月)
9月13日(火)
13:30~17:00
13:10~16:30
 
自習①〜⑥と課題A〜D
  内容 提出課題
映像Lesson.02  
映像Lesson.03 課題A
映像Lesson.05 課題B
映像Lesson.08 課題C
映像Lesson.11  
映像Lesson.12 課題D

スタープログラミングスクール代表の斎藤幸輔、教務マネージャーの鈴木朱美による各校2日ずつのオフライン研修と、約6時間のオンライン研修及びScratchのスキル確認課題(4つ)を実施した。

※①は本プロジェクト概要、国内外のプログラミング教育の現状、子ども達がプログラミングを学ぶ意義等の概念の説明及びScratchの基本操作、教育クラウド・プラットフォームの使用方法等の流れを説明した。
※①と②の間に、オンライン研修として、教育クラウド・プラットフォームを活用した、映像教材による学習、確認課題等を行った。
※②はオンライン研修及びスキル確認課題を経た状態で、Scratchの基本操作や教材・カリキュラム内容を理解していることを前提に、実際に小学生・中学生に提供するカリキュラムをメンターが受講生の側として体験し、講座の実感を掴むと共にメンターからの改善点やアイディアを集約した。

2.1.8 メンター研修に関する工夫
  • 教育クラウド・プラットフォームには、実際にスタープログラミングスクールにて受講生に提供している動画教材や、新規に制作した追加資料を編集の上アップロードし、メンターはそれらを閲覧しプログラミングすることによって基礎知識を得た。
  • 実際のオフラインでの研修はインプットを経ている前提で、いかに子ども達を良くファシリテートするかに焦点を絞る反転型の研修を実現するために、教育クラウド・プラットフォームを活用した。
  • その他必要に応じて研修資料・動画及び講座受講生への補足資料等を搭載した。
  • メンターをチーム制として情報の共有やノウハウの共有を図った。
  • メンターのスケジュール調整や課題の集約、欠席時の対応等はメンター派遣校と綿密に連携を取り調整を行った。
2.1.9 他地域にも再現可能なノウハウ
  • 大学生・専門学生を対象としたメンターの募集
  • 大学や専門学校のプロジェクトとした位置づけによるメンターのスケジュール調整
  • 映像教材及び確認課題を活用したオンラインでのメンターのプログラミング講習
  • ハイブリッド型のメンター体制の構築
  • チーム制でのメンター体制の構築

<メンター集合研修写真>

<教育クラウド・プラットフォーム搭載資料>
動画教材

確認課題

2.2 児童生徒の募集・学習について

2.2.1 児童生徒の募集期間

2016年8月~2016年10月

2.2.2 児童生徒の募集方法

プログラミング講座実施各校にて、担当教員を配置していただき、児童生徒の募集を行った。

  • 新潟市立沼垂小学校:コンピュータクラブの課外活動(放課後)
  • 新潟市立内野中学校:コンピュータ部(部活動)
  • 新潟市立東石山中学校:コンピュータ部及び希望者(部活動)
2.2.3 児童生徒の対象学年
新潟市立沼垂小学校:33名(6年生6名、5年生4名、4年生17名、特別支援学級6名)
チーム 児童生徒 メンター
チームA 小学6年生6名(男子5・女子1) 3名(新潟コンピュータ専門学校)
チームB 小学5年生4名(男子4) 3名(新潟コンピュータ専門学校)
チームC 小学4年生6名(女子6) 3名(新潟コンピュータ専門学校)
チームD 小学4年生6名(男子6) 4名(新潟医療福祉大学)
チームE 小学4年生5名(男子5) 3名(新潟医療福祉大学)
チームF 特別支援学級6名(男子3・女子3) 4名(新潟医療福祉大学)

※メンターはチームを横断し柔軟に対応する体制とした。
新潟市立内野中学校:15名(2年生10名、1年生5名)
チーム 児童生徒 メンター
チームA 中学1年2名(女子2)
中学2年3名(男子3)
4名(新潟コンピュータ専門学校)
チームB 中学1年2名(女子2)
中学2年3名(男子3)
3名(新潟医療福祉大学)
チームC 中学1年1名(男子1)
中学2年4名(男子4)
4名(新潟医療福祉大学)

※メンターはチームを横断し柔軟に対応する体制とした。
新潟市立東石山中学校:17名(2年生5名、1年生12名)
チーム 児童生徒 メンター
チームA 中学1年3名(男子1・女子2)
中学2年1名(男子1)
3名(新潟コンピュータ専門学校)
チームB 中学1年2名(女子2)
中学2年2名(女子2)
3名(新潟コンピュータ専門学校)
チームC 中学1年2名(女子2)
中学2年2名(男子2)
3名(新潟医療福祉大学)
チームD 中学1年5名(男子5) 3名(新潟医療福祉大学)

※メンターはチームを横断し柔軟に対応する体制とした。

児童生徒合計:65名

2.2.4 対象学年の選択理由

教育課程外での実施のため、実質的には各小学校・中学校にて対応可能な児童に集まっていただいた。
また、各小学校・中学校の機器備品を活用することが前提となるため(PCのみのため)、Scratchが利用できる弊スクール推奨年齢の観点と新潟市PRプロジェクトというプロジェクト型学習のため小学生中高学年~中学生とした。

2.2.5 児童生徒募集に関する工夫
  • 前提として小学校・中学校の担当教員にポジティブに捉えていただくことが必要なため、事前に本プロジェクトの意義や子ども達への教育的な効果について対面での説明を充分に行った。
  • プログラミング学習が初めての子ども達も対応可能なカリキュラムとした。
  • コンピュータ部やパソコンクラブなどITに興味のある児童生徒を中心とした受講生とした。
  • 上記を母集団としつつも各校内にて希望者を募っていただき、幅広い児童生徒を受講生の対象とした。
2.2.6 児童生徒の学習期間
新潟市立沼垂小学校:2016年9月29日(木)~2016年12月9日(金)
講座回数 講座日時
1 9月29日(木)15:00~16:00
2 10月4日(火)13:30~14:30
3 10月20日(木)15:00~16:00
4 11月1日(火)15:00~16:00
5 11月17日(木)15:00~16:00
6 12月5日(月)13:30~14:30
7 12月9日(金)13:30~14:30
新潟市立内野中学校:2016年9月27日(火)~2016年12月2日(金)
講座回数 講座日時
1 9月27日(火)16:30~17:30
2・3 10月6日(木)13:00~15:15
4・5 10月27日(木)15:15~17:15
6 11月15日(火)16:15~17:15
7 11月22日(火)16:15~17:15
8 12月2日(金)16:00~17:00

※中学校との調整により1回分追加
新潟市立東石山中学校:2016年10月31日(月)~2016年12月12日(月)
講座回数 講座日時
1 10月31日(月)16:30~17:30
2 11月7日(月)16:30~17:30
3 11月16日(水)16:30~17:30
4 11月21日(月)16:30~17:30
5 12月5日(月)16:30~17:30
6 12月8日(木)16:30~17:30
7 12月12日(月)16:30~17:30
2.2.7 児童生徒の学習内容

プログラミング教育を手段として、子ども達が以下の5つの資質・能力を身につけることを目標とした。また、以下は子ども達の学び合いがベースとなる。

1. 創造力・イノベーション
プログラミングを通して、自身の考えたこと、新しいモノを自由に形にすることを体験する。そこには正解はなく、自身の発想や想いを形にし、発信することを学ぶ。
2. 論理的思考力
順次処理、条件分岐、繰り返し等のプログラミングの基本概念を学び、論理的に思考する方法について学ぶ。
3. 問題解決力
自由な作品を開発し、上記の学びの中で多くのトライ&エラーを繰り返す中で、自身で課題を設定する、どこに問題がある、どうすれば解決できるか考えることで問題解決力を育む。
4. 自己肯定感
自身の好きなもの、好きなことを伸ばすプログラミング教育を提供する。すべての子ども達の意見や作品は満点であり、子ども達の自信及び自己肯定感を育む。
5. プレゼンテーション能力
自身で開発したプロジェクトをプレゼンテーションする場を設けることで、発信力・プレゼンテーション能力を養う。

<講座内容>
 Scratchの基本操作を個人ベースで学んだ後に、「新潟市をPRするプロジェクトを開発する」というテーマのもとグループワーク及びグループ開発を行った。 また、小学校・中学校共通の教材・カリキュラムとした。
 また第7回目の発表会には各校新潟市役所の方々をコメンテーターとしてお迎えした発表会とした。各校の校長先生、教頭先生にもコメントを頂戴し、子ども達の達成感を得られるよう配慮した。

<カリキュラム>

1日目 オリエンテーション:授業の目的と内容
Scratch紹介・基本操作
2日目 Scratch紹介・基本操作
オリジナル作品制作
3日目 「世界に発信!新潟PRプロジェクト(N・H・U)」始動!!
テーマ選定・グループ分け・グループワーク1・企画書作成
4日目 グループワーク2
企画書作成・役割分担・せいさく
5日目 グループワーク3
制作・進捗確認
6日目 グループワーク4
プログラム統合・プロジェクト感性・プレゼン準備
7日目 プレゼンテーション
制作物の発表・まとめ

第1回目、第2回目においてオリエンテーションを実施し、Scartchの基本操作を学んだ。
第3回目から第6回目までをグループワークとし、企画書の作成からプロジェクト統合、第7回目のプレゼンテーションという構成とした。プロジェクトの開発や発表の準備等は各回の間に各学校や各チームが自主的に行う場合もあった。

各グループ最終成果発表作品

新潟市立沼垂小学校
新潟出身の某有名歌手と名産のお菓子を使ったゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/134348888/

新潟のアイドルと名産お菓子の作り方を説明するゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/128437768/

新潟のショッピングセンターを舞台にどろぼうを退治するゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/128437278/

新潟の米をPRするゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/128435396/

新潟の名産を使った対戦ゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/128437613/

新潟をPRする障害物ゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/128435837/

新潟市立内野中学校
水と米を合わせてお酒を造るゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/132163864/

ぽっぽ焼きのつくり方を紹介するゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/127754194/

ぽっぽ焼きをPRするゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/132164327/

新潟市立東石山中学校
ぽっぽ焼きをPRするクイズゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/134362857/

新潟の食べ物をPRするクイズゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/131963201/

新潟の米をPRするゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/135164730/

新潟の米をPRするクイズゲーム
https://scratch.mit.edu/projects/131964288/

2.2.8 児童生徒への講座に関する工夫

指導方法について

  • プログラミング学習が初めての子ども達も対応可能なカリキュラムとした。
  • 講座時間を7回設定し、その間の児童生徒の自習や練習等が可能なスケジュール設定とした。
  • コミュニケーションや共創力を高めるためのグループワークをカリキュラムの中心とした。
  • テーマを児童生徒の身近なものとすることで、一人ひとりの児童生徒が主体的に取り組めるよう配慮した。
  • 毎回の講座を担当するメンターを固定とすることで児童生徒との長期的な関係構築が可能な体制とした。
  • 著作権や肖像権に関するレクチャーも同時並行で行った。また新潟市からの協力を得て、「新潟市オープンデータ(http://www.city.niigata.lg.jp/shisei/seisaku/it/open-data/)」を使用させていただき、画像提供や地域に関する学びの要素を取り入れた。
2.2.9 他地域にも再現可能なノウハウ
  • Scratchの基本操作等プログラミング学習が初めての子ども達も対応可能な教材・カリキュラム設定
  • 部活動やクラブ活動ベースの教育課程外の時間帯でのプログラミング講座の実施
  • グループワークによるプロジェクト型プログラミング学習(〇〇PRプロジェクト等)
  • 地方自治体等との連携による地域課題や地域PRに関するテーマ設定と体制構築
  • 地元の専門学校や大学、学習塾、習い事スクール等との連携による継続的な学びの場の提供

<グループワーク資料(参考)>

<最終成果発表会の様子(新潟市立沼垂小学校)>

3. モデルの訴求ポイント

3.1 モデルのねらい・意義

現状の課題認識

未来を担う子ども達に必要な学びである、“プログラミング“はその必要性の認知が広がってきているが、その学びの環境は関東圏に集中している状況である。全国への普及に向けては指導者(メンター)やノウハウの不足、実施コスト等の課題がある。我々は「メンターの募集及びその育成」、「動画教材を用いた継続的でより深い学びの実現」、「低価格で質の高い教育の多拠点展開に向けたシステムの構築」を目指して本事業に取り組んだ。

意義

未来を担う子ども達に必要な学びである、“プログラミング“を普遍化するべく、クラウドや地域人材を活用した、効果的・効率的なプログラミング学習の実施モデルについて実証を行うことが目的である。
 また、単なるプログラミング体験に留まることなく、小学校・中学校のニーズを踏まえつつ、プログラミングを手段とした学びの成果を最大化させる取り組みを行い、全国へ普及させていけるプログラミング学習のシステムを構築することを目指した。

狙い(実証内容)

  • 初めてプログラミングの学習をサポートするメンターの育成に関する、最適なステップとその方法
  • クラウド及び動画教材を用いたメンター育成の妥当性
  • 初めてプログラミングを学習する子ども達の学習効果を最大化する、最適なステップとその方法
  • メンターの年齢や対応方法による教育的効果について
  • 小学生・中学生のプログラミング初学者に対する基礎的な教材・カリキュラムの妥当性
  • 小学生・中学生のグループワークによるプログラミング教育の内容の妥当性
  • プログラミング学習に対する小学生・中学生の興味関心度の変化及び教育的な効果
  • プログラミング学習のメンターの能力的な伸びとプログラミング学習に関する興味関心の変化
  • プログラミング講座実証校のプログラミング学習の満足度及び継続的な実施の希望及び要望
  • 継続的な学びの場の提供に関する受講生、メンター、小学校・中学校の希望及び要望

本年度のゴール

  • プログラミング初学者の小学生・中学生及び小学校・中学校にその楽しさや意義を体験的に伝達すること
  • 小学校・中学校におけるプログラミング学習講座による、初学者のプログラミング学習講座のコンテンツ深化
  • 小学校・中学校における地域活性化に向けたグループワークを取り入れた、プログラミング学習講座のコンテンツの深化
  • プログラミング講座のメンターの育成(導入段階)の内容・方法の精査及びブラッシュアップ
  • 該当地域における継続的な学びの場の提供

中長期目標

  • 新潟県内の専門学校・大学、小学校・中学校におけるメンターの継続的な育成と小学校及び中学校等でのプログラミング学習講座の継続的な実施体制の構築
  • より発展的で応用的な学びの場としての民間スクールの拡大展開
  • 本事業に類似した内容及び体制でのプログラミング学習の全国展開への足掛かりとする
  • 本事業での実績を加味した形で、動画教材及びメンター研修動画等のシステムをより普遍化する
  • いつでもどこでも誰でもプログラミングを学べる、指導することができる環境及びプラットフォームの作成

3.2 モデル実施により得られた成果

以下項目及び末尾のアンケート結果にて成果を報告する。

3.2.1 受講した児童生徒の変化
  • ほぼ全員がプログラミング初心者であるが、ほぼ全員がプログラミングを学ぶことが楽しいと感じ、創造することに前向きに
    取り組んでいる。
  • 正解のない学びの中で、困難にぶつかってもそれを乗り越えようとする粘り強さを垣間見ることができた。
  • 自分のアイディアを企画書等の形にし、それをグループでまとめ完成させることができた。
  • 自身の意見、他者の意見を共有して、協同的な活動ができるようになった。
  • 発表の場面において自信を持って発表することができた。

小学校・中学校アンケート結果

Q.プログラミング学習を通して、子ども達に身についたと思う能力を教えてください。

  • ICTに関する基礎的な知識(小学校・中学校)
  • 新しいものを生み出す創造的な力(小学校)
  • 論理的に物事を考える力(小学校)
  • 他人と協力する力/協調(小学校)
  • ものごとをやり遂げる粘り強さ(小学校)
  • プログラムを設計する力(小学校・中学校)

Q.プログラミング学習を通して、子ども達に身についたと思う能力を教えてください。

  • 1つの目標に向かって知恵を出し合って解決していこうとする姿が見られた(小学校)
  • 子ども達はプログラミング学習をすることで、特にICTに関する基礎的な知識を得よう、新しいものを生み出そうとする意欲が引き出されたように思います。
  • プログラミング技術の向上(中学校)
3.2.2 担当したメンターの変化
  • 正解を教えるというスタンスではなく、子ども達の創造力を引き出す学びであることへの理解が得られた。
  • 担当制として子ども達と接することによる責任感や粘り強いファシリテーションの姿勢が見られた。
  • 能動的なプロジェクトへの参画や自主的なフォローなどの前向きな姿勢が見られた。

メンターアンケート結果(抜粋)

Q.本事業のメンターとして参加して良かった点を教えてください。

  • プロジェクトを起ち上げ、完成させる一連の工程を経験できた点。(1年男子)
  • 自分の指導で子供達が成長する姿を見ることができて良かったです。(2年男子)
  • 自分達もチームで制作する事があるのだが、話し合う姿勢はとても参考になったし制作したゲームもスタートボタンを作る
    などプレイする相手の事を考えているのはとてもいいなと感じた。(2年男子)
  • 今回のプロジェクトに参加して、プロジェクト参加への責任の重さに気が付かされた。一人だけでプロジェクトは成功でき
    ない。一人一人が協力し、プロジェクトを絶対成功させる意思が必要不可欠。今回それが学べてよかった。(2年男
    子)
  • 中学生と同じ目線で教えることができ、新潟市PRを成功させることが出来たこと。(2年男子)
  • プログラミングを通して教えることの大変さや、面白さなどを学ぶことができた。(2年男子)
  • 指導する側として何かを教えるということはなかなか経験できないのでそれが経験できて良かった。(3年男子)
  • 研修課題をやってみて、自分自身もプログラミングの理解が深まったこと。みんなで協力してやれたこと。(3年女子)
3.2.3 保護者の反応(実施アンケートより)

本プロジェクトにおいて保護者の方々へのアンケート調査等は行わなかった。

3.2.4 教員の反応(祝町小学校ロボットクラブ顧問)
  • プログラミング講座実施校において、今後も継続して実施したい旨の意見をいただいている。
  • 教育課程内の科目においてもテーマを設定し、それをプログラミングで学ぶ事例として一定の成果を出している。
  • 各校や関連の勉強会等にてプログラミングを取り入れるなど普及活動がスタートしている。

メンターアンケート結果(抜粋)

  • 短い期間での講座でしたが、比較的計画通りに進みよかった。「新潟をPRする」という大きな目標があったことで子どもたちも作品づくりに取り組みやすかった。Scratchを覚える時間・内容がもう少しあった方がよいと思うが、子どもたちは実際の作品づくりの中で技術を習得していたようである。(小学校)
  • ありがとうございました。良い講座でした。今後さらに充実した講座を開催していっていただきたいと思います。(小学校)
  • 今後の必須化に向けての課題(職員のスキルアップ、教材の開発・評価、企業・地域との連携など)が明確になった。(小学校)
3.2.5 協力大学、団体等の反応
  • 大学・専門学校のプロジェクトとしての全面的なご協力をいただき、前向きに事業実施に取り組んでいただいた。
  • メンターの経験や学びとして前向きな評価をいただいている。
  • 事前準備の必要性や多数のメンターや各講座へのシフト調整、各種書類等の提出については煩雑となるため、対応についてはやや否定的な意見をいただいた。

メンター派遣校アンケート結果(抜粋)

Q.本事業に参加して良かった点を教えてください

  • 小学生のグループに対し、メンターが自ら考え、解決していくといったPDCAサイクルが自発的に回せるようになったこと。またその重要性に気付いたこと。

Q.本事業に参加して良くなかった点を教えてください

  • 事前の技術的指導の部分で、本学の学生はウィークポイントでもあったため、4月ぐらいから準備しておけば今回以上に良いものになったと思う。

Q.メンター育成研修で足りなかった点・盛り込んで欲しかった内容を教えてください

  • もう少し早い時期に研修を行った方がよいと感じた。特に本事業の目的・重要性の理解、技術的指導については、期間を設けてしっかりやるべきだったと感じた。

Q.本事業を通してメンターが学んだことや、身につけたと思うことを教えてください

  • ホスピタリティ、世代ギャップを埋める作業
    *特にメンターにとって、今回の受講者は社会に出てから「部下」「後輩」に当たる世代であり、その世代の教育現場を知ることで、社会に出てからの「世代間ギャップ」を埋めるのに役立ったと感じる。核家族化が進む中で、メンター世代(20代前半)は、-10歳程度の世代とは接触がない状況がある。(+10歳世代はアルバイト等で接する機会はある程度有している)。現在の社会状況の中で若年の離職が問題となっており、離職原因の中で「人間関係」は第2位となっており、メンターが社会の中で「上司」「先輩」となったときに、これらの解消に役立つのでないかと考えている。

Q.プログラミング講座の実施にあたっての学校運営上、困難だった点があれば教えてください

  • 20名のメンター、3校への派遣、複数回の講義、といった複数の要因が複雑に関連し、また、変更事項等が発生した場合に、状況を把握するのに時間がかかった。今回はゼミの学生というわけでなく、学科全体からの募集であったため、教員が学生を管理する関係はそれほど濃くなく、細かな調整が大変だった。

実証項目とアンケート結果(抜粋)

1.初めてプログラミングの学習をサポートするメンターの育成に関する、最適なステップとその方法

メンター基本情報
メンターは2、3年生を中心とし、学部の性質柄男子学生が多く参加している。半数がプログラミングを学校で学んでいるが、学んだことのないプログラミングが全く初めてというメンターも40%程度含んだ構成となっている。

メンター育成研修満足度
メンター研修内容について、とても充分・やや充分と回答した割合は、全体としては62%であったが、プログラミング初学者のメンターが講座を実施するにあたっては技術的な研修はもちろん、講座内容に関するより綿密な研修が必要である。また。子ども達に対する対応方法に関する研修や指導方法のレクチャーがより多く必要であった。実地研修や経験も重要である。

アンケート(メンター育成研修の良かった点・改善点)

  • プロジェクトの進行に対してどう対応し解決するかの問題解決能力の育みが役に立ちました。(1年男子)
  • 子供に何かを教えるときのコツを学べた。(4年男子)
  • 小学生に教えるときにできるだけ早く教えることができた。(1年女子)
  • 事業の目的などがわかったこと。教え方のアドバイスがあったこと。課題をやってみて、プログラミングのやり方が分かったことが良かった。(3年女子)
  • Scratchの基本的な動作について分かりやすく教えていただき、とても役立ちました。(2年男子)
  • Scratchプログラミングの基本操作を理解できた。小中学生に対し指導するときのポイントを少しつかめた。
    (答えを伝えるのではなく、答えを導き出すためのヒントを与える等)(4年女子)
  • 普段プログラミングをしている人でもscratchの操作を覚える時間が短いと感じたのに同じ内容で中学生に覚えてもらうのは厳しいと思うので操作を覚える時間がもう少し欲しかった。(3年男子)
  • 基礎の部分をもう少しじっくりやったほうがいいと思いました。(3年男子)
  • 実際の対象者に対する内容に近い研修が必要。(3年男子)
  • 実際にゲームを作るときなどに応用できる力がついていなかったため、scratchプログラミングをもう少し踏み込んで勉強したかった。(私の理解力と応用力、自主的な勉強が足りなかったのが要因でもあります)
  • 小中学生を指導する時のポイントをもっと盛り込んでほしい。(小中学生との接し方が難しかったです)(4年女子)
  • 研修は2回では足りないと思った。
  • 基礎的なことしか出来なかったので実際にゲームを作る際に応用がきかなかった。(3年女子)
  • scratchの知識やアイディアを学べる時間がもう少しほしかったです。(2年男子)

2.クラウド及び動画教材を用いたメンター育成の妥当性

クラウドを利用した情報共有は一定レベル効果を発揮したようである。実証事業に関するデータや資料の共有及びアップデートをスムーズに行うことができた。また、一斉の集合研修の多数開催が困難であったため、動画教材を用いた知識・スキルのインプットは非常に有効であったことが伺える。都度の講座の進捗や実証事業運営団体、メンター、メンター派遣校、講座実施校間の情報共有進捗管理共有ツールとしての機能をより果たすことができればより効果的であると考えられる。

アンケート抜粋

  • 非常に良かったです。映像などは文字だけではなく映像を流すことによって理解度が深まりましたし、クラウドシステムを利用することによって作業効率等が大幅に削減されてよかったです。(1年男子)
  • USBを回して共有するより短時間で済むため時間短縮になってよいと思う。(4年男子)
  • 映像素材をクラウドで共有するのは効率が良くていいなと思いました。(2年男子)
  • 使いやすいシステムではありましたが、使用する機会がほとんどないように思う(3年男子)
  • クラウド自体を使う機会が少ないと感じました。(3年男子)
  • 映像授業はとても分かりやすく、Scratchを扱ったことのない人にもわかりやすい内容になっている。(3年男子)
  • データ共有の仕方が少しわかり辛い(3年女子)
  • 研修以降は忘れていた。子供たちも利用できるようになれば有用なものではないかと感じた。(3年男子)
  • とてもわかりやすかったです。(3年男子)
  • 映像授業は良いと思いました。(3年男子)
  • わかりやすく課題を順調に進められた。(3年男子)
  • 映像はわかりやすく学習しやすかった。(2年男子)
  • 自宅で自分の好きな時間にできたので良かった。自分の分からないところだけを何回も見ることができたので良かった。(3年女子)
  • 使いやすかった(3年男子)
  • 空き時間に映像授業を見ながら進めることが出来た。分からない所だけを再度確認することができた。(4年女子)
  • 映像授業は分かりやすく、分からないことを何度も見返せてとてもよかった。データ共有も簡単で良かった。

3.初めてプログラミングを学習する子ども達の学習効果を最大化する、最適なステップとその方法

受講生基本情報(小学生)

小学生は4年生を中心に高学年が受講生となった。パソコンクラブに在籍している児童生徒がベースのため男子が6割以上を占めている。また、想定していた通りプログラミングについて知っている、あるいはプログラミングをやったことがある児童生徒は少数であった。

受講生基本情報(中学生)

中学生は1年生を中心に3年生を除いた学年が受講生となった。3年生は受験等の関係で調整が難しかったようである。コンピュータ部に在籍している児童生徒がベースのため男子が6割以上を占めている。また、想定していた通りプログラミングについて知っている、あるいはプログラミングをやったことがある児童生徒は少数であった。

4.メンター年齢や対応方法による教育的効果について

今回は専門学校生、大学生をメンターとしたプログラミング講座であった。比較対象がないため一概に良し悪しを報告することが難しいが、以下のようなアンケート結果を得ることができた。概して年齢の近い親しみやすいお兄さん、お姉さんメンターの役割を担ったと考えられる。

アンケート抜粋

<受講生>

  • 最初はむずかしかったけど、メンターの人や友達と協力してやったら、どんどんかんたんになって教える側になった。
    (小4女子)
  • 自分でつくったものが、実際に合わさって、一つのものになるのが、すごいと思った。メンターさんの説明がわかりやすかった。おもしろかった。(小6男子)
  • 操作が難しく覚えるのに時間がかかりましたが、メンターさんの人たちが優しく何度も教えてくれたのでとても楽しかったです。(中2女子)

メンター派遣校(再掲)

Q.本事業を通してメンターが学んだことや、身につけたと思うことを教えてください。

  • 「ホスピタリティ、世代ギャップを埋める作業」
    *特にメンターにとって、今回の受講者は社会に出てから「部下」「後輩」に当たる世代であり、その世代の教育現場を知ることで、社会に出てからの「世代間ギャップ」を埋めるのに役立ったと感じる。核家族化が進む中で、メンター世代(20代前半)は、-10歳程度の世代とは接触がない状況がある。(+10歳世代はアルバイト等で接する機会はある程度有している)。現在の社会状況の中で若年の離職が問題となっており、離職原因の中で「人間関係」は第2位となっており、メンターが社会の中で「上司」「先輩」となったときに、これらの解消に役立つのでないかと考えている。

5.小学生・中学生のプログラミング初学者に対する基礎的な教材・カリキュラムの妥当性

小学生

Scratchの基本操作について、79%が「良く分かった」と回答し、ほとんど分からなかったは3%のみに留まった。時間もちょうど良いという回答が半数を占めているが、一方で時間が少し足りない・時間が足りないという回答も約40%となっている。基本的な操作のみのレクチャーではあるが、理解度や進捗度には個人差があることが見て取れる。

中学生

Scratchの基本操作について、56%が「良く分かった」と回答し、ほとんど分からなかったは4%のみに留まった。時間もちょうど良いという回答が半数を占めているが、一方で時間が少し足りない・時間が足りないという回答が小学生同様に約40%になっている。基本的な操作のみのレクチャーではあるが、理解度や進捗度には個人差があることが見て取れる。

メンター

Scratchの基本操作を学ぶ講座において、小学生・中学生の児童生徒は良く分かった、時間はちょうど良いという回答が多く見られたが、メンターからの視点では、「全く充分でない」、「充分でない」が34%に達し、時間に関しては「全く充分でない」、「充分でない」が59%に達している。
Scratchの奥深さを知っているメンターとプログラミング初学者の子ども達の間で認識の差が大きく出ている。
また、実際のメンターからのアンケート結果として、よりじっくりと基礎からゆっくりとプログラミング講座を提供した方が良い等の案が出ており、より長期的なスパンでの計画と実施が必要であると考えられる。

6.小学生・中学生のプログラミング初学者に対するグループワークの妥当性

小学生

グループワークの理解度については、「良く分かった」、「少し分かった」が94%占めており、テーマを設定したグループワークについては理解が難しいということはないようである。また、児童生徒にとって身近なテーマであることが効果的であったと言える。
また、今回のプロジェクトの最大のポイントは地域PRにつながるようなグループワークであるが、以下のような受講生の声が大半を占め、相互の学び合いや共創的な学習は効果を発揮したと言える。

アンケート抜粋

  • 楽しかったことは、グループで協力できたことです。分からなくてもきき、そうだんしたりできたからです。(小4女子)
  • 学んだことは、みんなで協力して作るといい物ができることです。(小4女子)
  • みんなでの協力やあきらめないことを学ぶことができた。(小4男子)

中学生

グループワークの理解度については、「良く分かった」、「少し分かった」が89%占めており、テーマを設定したグループワークについては理解が難しいということはないようである。また、児童生徒にとって身近なテーマであることが効果的であったと言える。

メンター

新潟をPRする作品を創るグループワークにおいても、小学生・中学生の児童生徒は良く分かった、時間はちょうど良いという回答が多く見られたが、メンターからの視点では、「全く充分でない」、「充分でない」が33%に達し、時間に関しては「全く充分でない」、「充分でない」が51%に達している。
客観的に最終成果物のイメージを持っているメンターとプログラミング初学者の子ども達の間で認識の差が大きく出ている。より長期的な視点でじっくりと講座を実施したい旨のアンケート結果も得られており、グループワークの実施にあたってもプログラミング基礎講座同様に、より長期的なスパンでの計画と実施が必要であると考えられる。

7.プログラミング学習に対する小学生・中学生の興味関心度の変化及び教育的な効果

中学生

小学生・中学生共に「とても楽しかった」が85%を越え、子ども達の学びたい意欲や、多くの子ども達がプログラミングを好きになることは、どの地域・どの学校でも共通であることが見て取れる。

小学校・中学校アンケート結果(再掲・抜粋)

Q.プログラミング学習を通して、子ども達にどのような成長が見られましたか?

  • 1つの目標に向かって知恵を出し合って解決していこうとする姿が見られた(小学校)
  • 子ども達はプログラミング学習をすることで、特にICTに関する基礎的な知識を得よう、新しいものを生み出そうとする意欲が引き出されたように思います。
  • プログラミング技術の向上(中学校)

8.プログラミング学習のメンターの能力的な伸びとプログラミング学習に関する興味関心の変化

メンターの能力的な伸びは測りかねるが、メンターの総合的な感想では、メンターとして参加した感想では、「とても良かった」、「良かった」が75%に達し、多くのメンターがやりがいや喜びを感じて取り組んだ結果が見て取れた。

アンケート抜粋(再掲)

Q.本事業のメンターとして参加して良かった点を教えてください。

  • プロジェクトを起ち上げ、完成させる一連の工程を経験できた点。(1年男子)
  • 自分の指導で子供達が成長する姿を見ることができて良かったです。(2年男子)
  • 自分達もチームで制作する事があるのだが、話し合う姿勢はとても参考になったし制作したゲームもスタートボタンを
    作るなどプレイする相手の事を考えているのはとてもいいなと感じた。(2年男子)
  • 今回のプロジェクトに参加して、プロジェクト参加への責任の重さに気が付かされた。一人だけでプロジェクトは成功で
    きない。一人一人が協力し、プロジェクトを絶対成功させる意思が必要不可欠。今回それが学べてよかった。(2年
    男子)
  • 中学生と同じ目線で教えることができ、新潟市PRを成功させることが出来たこと。(2年男子)
  • プログラミングを通して教えることの大変さや、面白さなどを学ぶことができた。(2年男子)
  • 指導する側として何かを教えるということはなかなか経験できないのでそれが経験できて良かった。(3年男子)
  • 研修課題をやってみて、自分自身もプログラミングの理解が深まったこと。みんなで協力してやれたこと。(3年女子)

9.プログラミング講座実証校のプログラミング学習の満足度、継続的な実施の希望及び要望

サンプル数は少ないが、とても満足・やや満足が小学校・中学校の回答であった。これからもプログラミングを学校内で実施していきたいですか?については、とてもそう思う・ややそう思う・どちらでもないという回答であった。

アンケート抜粋

Q.本事業のメンターとして参加して良かった点を教えてください。

  • ありがとうございました。よい講座でした。今後さらに充実した講座を開催していっていただきたいと思います。
  • メンターには子どもの視線に立って、丁寧に粘り強く対応していただきました。
  • プログラミングに不慣れなメンターも、なんとか問題を解決しようと努力してくださっていた姿に感心した。
  • 個別に配慮が必要な子も多く大変だったと思うが、一人ひとりに合わせて声掛けや支援をしてくださってありがたかった。
  • 今後の必須化に向けての課題(職員のスキルアップ、教材の開発、評価、企業・地域との連携)が明確になった。

10.継続的な学びの場の提供に関する受講生、メンター、小学校・中学校の希望及び要望

サンプル数は少ないが、とても満足・やや満足が小学校・中学校の回答であった。これからもプログラミングを学校内で実施していきたいですか?については、とてもそう思う・ややそう思う・どちらでもないという回答であった。

中学生

小学生・中学生共に、これからもプログラミングをしてみたいか?については、「とてもそう思う」、「まあまあそう思う」が80%を越えている。全7回の短期間の講座であったが、その展望感やプログラミングという学習自体への楽しさを見い出し、継続的な学びへの意欲を示してくれている。

学校要望(アンケート抜粋)

  • カリキュラム内容はとても良かったが、初めての取り組みのため子ども達が理解するためにはもう少し時間が必要。
  • Scratchを覚える時間・内容がもう少しあった方がよいと思うが、子ども達は実際の作品づくりの中で技術を習得していたようである。
  • (教育課程外の実施のため)講座時間の確保が困難である。
  • 必修化については賛成であるが、インフラ整備や指導者の育成、教員の研修など課題が山積みである。

4.モデルの改善点

4.1 実施にあたって直面した困難

  • 小学校・中学校の教育課程外において一定数の講座時間を確保する点。
  • 5コマ以上の講座を実施するにあたってのメンターのスケジュール調整。
  • 同一カリキュラムで全員が進行する際に欠席等した場合のフォロー(特にグループワーク)。
  • 全体のプロジェクト進捗管理(学生がメンターの場合でもプロジェクト全体を管理し学校側と連携してマネジメントすることが必要)。
  • 事業開始から事業終了までの期間が短く、メンター育成期間及び講座の充分な時間の確保が難しかった。

4.2 実施を通して把握した反省点

  • 教育課程外での小学校・中学校でのプログラミング講座実施の優先度の低さやその必要性の認識の低さ。
  • プログラミングスキルのインプットの時間の確保が不十分であった(特にプログラミング初心者のメンターの場合)。
  • グループワークでのプログラミング後のプロジェクト統合は、今回の限られた時間の中では対応が難しかった
    (難易度的に)。
  • メンターに対して、プログラミングスキル研修に加え、子ども達への対応方法等についての研修もより多くが必要である。
  • 学生がメンターの場合のメンターの授業の調整が必要となる。
  • メンターが継続的にメンター活動を続けていくための仕組み作りの重要性。

4.3 モデル普及に向けた改善案

  • 受講生・メンター共に、限られた時間内でScratchの基本操作等を指導し、ある程度のアウトプットを出す点は今回のスケジュールにおいては不十分である。事業実施決定から事業終了までの期間によりゆとりを持つ必要がある。
  • メンターへの報酬の支払いは必要最低限でも可であることが望ましい。
  • 教育課程外での実施が前提条件のため、それが理由で実施ができない学校や受講できない児童生徒がいたため、可能な範囲で可とすることが望ましい。
  • プロジェクトの全体スケジュールの遅滞や情報共有の不足があった。各種手続き含め可能な限り具体的な内容が事務局から事前に共有されることが望ましい。
  • 他実証団体の進捗が分からず、全体的なクオリティや内容の濃さ等にばらつきが見られる。オンラインコミュニティ等でも構わないため相互の意見交換や共有がより図られることが望ましい。

5.モデル実施のコスト

5.1 実施コスト内訳

No. 項目 費用(税込)
1 プログラミング教材開発費用 586,800円
2 メンター育成~実施費用 410,400円
3 講座設計~実施費用 2,021,748円
4 メンター育成動画制作費用 264,600円
5 成果発表会準備~実施費用 334,800円
6 報告書作成費用 388,800円
7 通信費用 19,930円
8 会合等出張費用 1,001,957円
9 その他費用 101,088円
  合計 5,130,123円

5.2 児童ひとりあたりのコスト

総コスト:5,130,123円/児童生徒の人数: 65名=約78,925円(税込)
※今回は多数のメンターの育成と遠隔地での実施のためやや費用は嵩んでいる。

6.モデルの将来計画

  • 「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業 クラウド・地域人材利用型プログラミング教育実施モデル実証事業 平成28年度 第2次補正予算への応募を予定しております。未提案・未実施の地域にて、より普遍的に地域の人材によるプログラミング教育の提供が可能な仕組みの構築に尽力して参ります。
  • プログラミング教育の普遍化を目指しスクール事業をスタートしております。今回の本事業にて得られた教材・カリキュラム、メンター育成方法等をベースに、当該地域での学びの深化、他地域への展開、その他企業・行政・学校等との連携によりプログラミング教育の普及推進を進める予定です。
  • スタープログラミングスクールも地方都市を含み全国展開を予定しています。大型ショッピングセンター内での開校や、NSGグループ内企業等との連携により、さらにプログラミング教育を普及させる取り組みを行っていく予定です。直営教室を15教室に拡大し、教材・カリキュラム及びメンター育成ノウハウをベースにパートナー校を16校に拡大して参ります。本事業により得られた実績やノウハウをベースとして拡大展開のスピードを高めていく予定です。

7.参考資料【添付資料一覧】

メンター募集要項(各校共通)

メンター向けScratch確認課題一式

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